■前回の記事の続き
前回までの記事となります→ 【前編】RPAでカモになる企業
今回は【後編】RPAでカモになる企業 となります。
【後半】■RPA事業者にとってカモになる企業
以下のような場合、RPA関連の事業者にカモにされます。
- 目先の人件費を急いで削減したい企業
- RPAで何でもできると思っている企業
RPAですが まだまだAIを活用した完全自動化ができる未来は来ません。
手離れよく自動化ツールを導入することができる未来はもっと先です。
それまでの間にWebシステムの更新などは当然発生するでしょうし、
それに伴い RPAツールのメンテナンスも継続的に必要でしょう。
つまりは、
ITスキル保持者を育成するコストは かけ続ける必要があるのですが、
それをサボりたい企業は RPA関連の営業に 上手く丸め込まれ、
「RPAを導入すればITスキル保持者の育成は不要ですよ」という言葉を信じるわけです。
目先の人件費を急いで削減したい企業
このような企業についてですが、
RPAを導入することにより、目先の人件費は削ることができるかもしれませんが、
必要な準備をせずに 人件費削減を急いだ場合、
大半はツール作成者に依存したメンテナンス体制に陥ります。
しかしながら、個人に依存した運用状態は 組織として健全ではありません。
見える化されないままに、ツール作成者が退職された場合はどうしようもなくなります。また、マニュアル化されていない+RPAツールが壊れた となったら、その仕事がとまります。
コストカットしないといけないことは分かるのですが、中長期で見た時に 必ず 損します。
目先の人件費を追うあまりに、実際の業務自体が不安定になったら、
RPA提供会社からの 「RPA作成者-育成研修」の提案など 飲まざる負えない状態になり、
しまいにはRPAの運用をBPO(業務委託化)するなんてことも。
※RPAアプリケーション自体 水物ですので RPA作成者-育成をするのも何だか違和感。
内製して安く済ませたいのに、BPOしてコストが増える結果となれば、
そもそもRPAを導入しなければよかったと後悔する結果になります。
目先で考えれば 絶対に業務時間は削減できますので、早く進めたい気持ちも分かりますが、数年後を見据えて、現在の業務を可視化→自動化→効果検証→導入 のプロセスは必ず守るべきです。
RPAで何でもできると思っている企業
現在のRPAでは、やれることは限られています。何ができるかというと、ざっくり以下の通り。
<RPAで出来ること(ざっくり)>
・EXCEL、CSV、Wordに自動入力/出力
・Webブラウザの制御
・Webブラウザ↔EXCEL、CSV、Wordの情報連携
ここで個人的にポイントだと思うのは、
各社が自前で持っているアプリケーションは、
Webブラウザーベースでなければ動かない(かもしれない可能性が高い)です。
制御ができたとしても、作成が難しい場合や、動作が安定しない場合があります。
RPA提供会社は、この辺を「できる」の一言で実態を隠している場合があるので確認は必須です。
もし、この辺を鵜呑みにし、上層部の判断により、高い金額を払ってRPAを購入・導入してしまったら、残念ながら 現場レベルでは どうにかして 活用する方法を模索する道しか 無いです。(無駄にしたら 自部署の責任にされかねない。)
そして、不本意ながらもどうにかしないといけないため、
「RPA作成者-育成研修」を受講させてほしいと上層部に掛け合い、
自動化が難しい アプリケーションの自動化に挑戦するわけです。
大体が徒労に終わると思います。
デスクトップ上の位置情報をもとに自動化ツールを作成できたとしても、
メンテナンスは出来たものではないと思います。
(ディスプレイが物理的に変わっただけで画面サイズが変更=位置情報が変更されて動かなくなるのも想定できる)
上述の通り、 RPAで何でもできると思っているとカモにされるかもしれませんので注意してください。
【後半】■おわりに
僕自身がRPAに思うことは、まだ時期尚早だと思います。
正直、EXCEL VBAで DOM(Document Object Mudel)を理解した方が、
直近の10年くらいは 活躍できそうな 体感です。
(他のプログラム言語を理解するためのとっかかりとなりますし。)
それでも、ノンプログラミングワーカーにとっては、
「こういったことが出来るのか!」と知れるいいチャンスでもありましたので、
機会創出の場として、RPAブームはとても良いことだと思います。
フリーで利用できて使いやすいUWSCやSikuliなどの RPAチックなアプリは、
世の中にあふれていますので、こういったものを活用して、
各個人の効率化が進み、プライベートの時間が創出されたら良いなと 僕は思います。
以上