- 【前半】■RPAとは
- 【前半】■RPA市場
- 【前半】■RPAがブームの理由
- 【前半】■RPAを導入するメリットって何だろう。
- 【前半】■RPA導入時に業務の標準化は必須
- 【後半】■RPA事業者にとってカモになる企業
- 目先の人件費を急いで削減したい企業
- RPAで何でもできると思っている企業
- 【後半】■おわりに
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【前半】■RPAとは
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーション/Robotic Process Automationの略です。主にホワイトカラーのPC業務を "全部"or"一部"を自動化し効率化を図るものです。
AIとの連携を用いて、昔よりも やや複雑なことが出来たり・出来なかったりします。
この辺は、人間にも 出来ること・出来ないことがあるため、人間と似たようなものです。
標準化された(見える化・マニュアル化された)PC業務であれば、
大半がRPAに置き換えることが可能で、置き換えられて減った人員をよりクリエイティブな仕事に異動させ人材活用させる企業もあったりします。
(実際は人材活用できる例は少ないのではと個人的に思う。)
従来のホワイトワーカーの業務を行うことができることから、
仮想 知的労働者とも言われているみたいです。
【前半】■RPA市場
RPAの市場は年々増加しています。
RPAツール製品自体の市場よりも、RPA関連サービス(おそらく研修や効果測定等)の方が市場規模が大きいみたいです。
2018年度のRPA市場、前年度比134.8%増--矢野経済研究所予測 https://japan.zdnet.com/article/35132925/
【前半】■RPAがブームの理由
「政府の働き方改革による企業への要請」・「高齢化による労働不足解消」 などの社会背景が RPAにフォーカスされるきっかけだったと思います。
昔からRPAチックなアプリケーション(※1)は存在していたにも関わらず、今事になって なぜ RPAに注目が行くかといったら、一言でいうと 簡単さがアピールされたからだと思います。
ノンプログラマーでも 簡単に作れる 触れ込みで宣伝され、
その魅力に みんなが気づき、特に 経営層が コストカットの目的で導入したところ、
思ったよりも効果が大きかったこと=導入事例として 更なる需要に火をつけたのかなと思っています。日本は導入事例に弱く、横がやって成功すれば、みんな続きますからね。
※1: UWSC や「EXCELマクロ」はかなりの歴史を持っています。UWSCはフリーソフトのデスクトップ自動化プログラム。Document Object Moduleも対応しており 楽天スーパーセールで大活躍します。
【前半】■RPAを導入するメリットって何だろう
某大手のRPAプロパーのサイトを見ると「ノンプログラミング」で業務の自動化を行えることは次のメリットがあるとあげられていました。
- IT部門による制約が無くなる(IT部門の予算・スケジュールを気にしなくてよくなる)
- 効率手段を持たなかったホワイトワーカーの業務の効率化が可能になる
それでも 結局は、何もルールを制定せずに、ホワイトワーカーにノンプログラミングで作成できるRPAツールを渡してしまったら 更なる野良ツール化を助長させることになりかねないのと僕個人は思います。
正直、野良ツール 勢力にRPAノンプログラミングワーカーが加わるだけです。さらにタチが悪いのは、ノンプログラミングで作るとなった場合、プログラマーが当たり前に付与する、エラー分岐などの機能を搭載せずに、プログラムをリリースしてしまう恐れがある。規模はどうあれ、インシデントが発生するのは 時間の問題かなと思います。
また、RPAで自動化するにおいて、Webシステム↔RPA↔EXCELで連携させるといった場合、Webシステムの負荷要件とか無視できないはずですので、やっぱりIT部門とは 関わりが必要になってくると思います。
【前半】■RPA導入時に業務の標準化は必須
僕個人としては、業務の自動化には 事業継続を脅かすリスクを伴っていると思っています。
安易に人件費が削れるからとって、準備を行わずに 目先の効率化を推し進めた場合にどうなるか。
仮に、見える化・マニュアル化をせずに、効率化ツールを作成した従業員に退職された場合、『判断基準』や『作業手順』が分からなくなり、その業務フローのノウハウは 消えてしまいます。
カウンタートークとして RPAのフロー 見れば分かるじゃないかと、考えるかもしれませんがRPAフローは簡素なもの + 他人が勝手に作ったフローは難解であり、そこから逆引きして業務を理解するのは現実的でないです。EXCEL-VBAのVBEにコメント記載機能がありますが、これでも逆引きして業務を理解するのは工夫が必要です。
この「準備の必要性」ですが RPAもEXCELマクロでも 変わらないこと。最低限のリスクヘッジのためにも準備は絶対に行うべき、必要なことだと思います。
RPA導入時の準備の必要性
≪必要な準備≫ | ≪何のリスクへのアプローチ?≫ |
・見える化 | 自動化の承認判定で必要(何を自動化し何を判断させてるのか) |
・マニュアル化 | 自動化ツール破損時に旧フローを一次的に行うために必要 |
・メンテナンス者育成 | 継続的にメンテナンスが出来ない場合、 人員だけが削られ、ツールの改修が必要になった場合に悲惨な状態に。 |
・メンテナンス資料 | (同上) |
・承認プロセスの明確化 | 新規の自動化ツールの実行承認プロセスの追加で 野良化防止。 Webシステム負荷の見識を教えてもらい 自動化ツール作成後に やっぱりシステム負荷が大きいから ダメ としないため。 |
一番に大切なところが、マニュアル化です。自動化ツール作成後に、もし 作成者が退職・異動されてしまった場合、旧フローのノウハウが 消えてしまい、それまでの積み重ねが無駄になってしまいます。
昔、トヨタ自動車の サービスオペレーション部隊を取材した『なぜなぜ分析は企業の宝である』 みたいな記事を読みましたが、要は、企業にとって これまでの失敗を含む 積み重ねは 宝である = 利益になる源泉 であると謳っていました。それが 喪失するリスクがある = 利益の源泉がなくなる可能性があることを正しく認識しないと、事業の継続性に問題が生じますので、経営者の方は 理解した方が良いと思います。
でも、マニュアル化できないから RPAしたいんだーっていう担当者もいそうですね。それでも結局は、作成したRPAツールをメンテナンスするために資料は必要ですから、
先に作るか 後に作るかの違いだけのように思います。むしろ先にマニュアルを作っておけば、見える化 は終わってるようなものですし、ツールのメンテナンス資料も マニュアルベースに作れるので効率的です。